―コツ…、コツ…、コツ…

また革靴の音がする…。

響きながら…。

『千尋さんの時と一緒だ…。でも今度はやけに明るい…。あ…。昼なんだ…。』

窓からは太陽の光が眩しいくらいに差し込んでいた。

―コツ…、コツ…。

足音が止まった。



「何だよ?!つか誰だよ、てめぇ?!」

男の声。

「突っ立ってねぇで答えろ!」





「何笑ってんだよ…!」





ぼんやりとしていたのが、だんだん晴れてきて、今の状況が理解出来るようになった。椅子に座りながら、ドアの方を向きながら、何か喋っていた。男性の目線の先には、アノ黒のロングコートのヤツが立っていた。





―カチッ!
変な音がして、ロングコートのヤツを見ると、手に拳銃をにぎりしめていた。
「何だよ、ソレ…?!」
男性の震える声が狭い部屋の中、不気味に響いた。





「ま…、待て!」
焦った男性の声。





「止めろ!撃つな!」





―バァン!