その"アイツ"の名前はケイタ。時東恵太(ときとうけいた)

幼馴染で小さい頃から小学校くらいまではよく遊んでいた。

親同士仲良くて、いつも近くの公園でブランコ、滑り台、砂場‥‥

泥遊びをして"どろんこ"になることもしょっちゅう。

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「なんでこの町にあんたが。」

昔の記憶が蘇ってくる。

消したい、消したい、記憶。

あの事件があったから私の人生は狂ったんだ。

それまで大好きだったこの町が大嫌いになり、何度もこの町を出ようと思った。しかし引っ越すお金もなく、途方にくれていた。そんな高3の夏。

ケイタは突然姿を消した。