悠介のお母さんが部屋を出て行ったあと…悠介がニヤリと、笑みを浮かべた。

何かを企んでいるような…

僕にはそう見えた。

「普通に、食べても面白くないからさ、何かゲームしようぜ!」

「ゲーム…?」

「ロシアンルーレット的なやつ!よくあるじゃん!たこ焼きに一つだけ辛子入りとか!」

『「いいねー!!面白そー!」』

僕は唾をごくりと飲んだ。

なんとなく、嫌な予感がした。

「やろうぜ!

なぁ、ケイタもやるよな?」

「う、うん…」

「じゃあー…じゃじゃん!」

2段目の引き出しから何故か辛子が出てきた。

「悠介面白れーな!なんでそんなとこから辛子出てくんだよ!はははーっ」

「だろ?笑いのセンスあるだろ?」

「あるあるー!けどさ、パウンドケーキに辛子入れられなくね?」

「1から4までパウンドケーキに番号つけるからさ、みんなは番号を選ぶだけ!
見た目じゃ分かるからさ、目をつぶったまま直感で番号を言ってよ!

番号を言って、その番号のパウンドケーキを俺が食べさせるからさ!

美味かったら、当たりー!!

よし!じゃあみんな後ろ向いて、目をつぶって!」

僕はみんなを見渡して、少し遅れて後ろを向き、目をつぶった。

もしかしたら、僕だけ目をつぶって、辛子入りを故意的に食べさせられるんじゃないか…と思ったが、みんなすんなり後ろを向き、目をつぶったので僕は安心した。