『クシュンッ』


突然くしゃみが出て鼻をすする。

風邪でも引いたかな??

そんな事を考えていると…



『…、着いちゃった』


クラスの表札、自分のクラスの前に着いた。

恐る恐るドアを少し開けて教室を覗き込むと…



「ウハ、何それ」

「お!!レベル上がったし!!」


既に男子は数人のグループを作って騒いでいた。

しかも、女子は一人もいない。


パタンとドアを閉める。



『無理無理無理』


顔を真っ青にさせて首を左右に振った。

さすがにあんだけの男子の群れにちょこんと一人なんて、そんなの無理だーッ!!

一人教室の前で考えこんでいると…





━…トン



『え??』


ドアが少しギシッと唸り、私全体を影が覆う。

後ろを振り向けば…



「ハロー」

『?!』


何故か男の子が私に軽く挨拶をして、私の顔の両サイドに手を置いている。

だが、私は男の子から視線を外せない。

黒髪の猫っ毛のある髪、傷一つ無く整った顔立ち、制服は少し着崩し、耳にはピアス、瞳は漆黒の色…

私から見ても断然イケメンだ。