『確かに急に来て、別れろとか散々言ったけど、それはワガママじゃないよ!!』


急に帰国したのも、理由があるから…っ



『だから、空港に行こう!』


蓮の腕を掴むと、蓮はその手を振り払った。



「…はぁ?

アイツは俺のこと嫌ってるんだよ!!
親父もそうだ、だから俺は…っ
ここに残った…!!
…今更何だよ!!」


今まで溜め込んでいた物を私に向かって吐き出して、その場に座り込んだ。










『…グズグズ言うな』

「!」


蓮は顔を上げて私を見上げた。



『梢さんの苦しみを理解しようとしないで、自分だけ被害者ぶって…



そんなの酷いよ…っ』

「朱祢」


蓮は目を丸くした。

きっと、私が抑えきれなかった涙をながしてるから…っ

二人はお互いを思い合ってるのに、すれ違いばっかで、それが悲しくって私は泣いた。