「ねぇ」


なかなか寝つけなかった時、梢さんから話しかけられた。



「人ってこんなに優しいんだね」

『え?』


顔だけを向けても、暗くって梢さんが今どんな表情をしてるかわからない。



「私は蓮を産んで、ずっと反対してた親、近所のみんなに冷たい目で見られてたから…」

『…梢さん』

「なんか久々に人の優しさに触れたって感じ」


ズッと鼻をすする音が聞こえるから、泣いてるのかな…



「てか、何であんたが゛梢さん゛とか呼んでるのよ。ムカツク。」

『や、すいません!ただ誤魔化す為だったから』



泣いてると思ったのに怒ってるしー!!


せっかくいい雰囲気だったのに、また仲が拗れちゃうよ…っ










「ま、いいけどね」

『え?』

「…早く寝なさいよ。

゛朱祢゛ちゃん」






今、何て…っ