『はぁ~、さっぱり~♪』


無謀なご飯を残したものの、ほとんど食べてお風呂に入り体がさっぱりしたが…



「早かったわね」


ベッドにくつろいで勝手に少女漫画を読んでる梢さん。



『…え、一緒に寝るんですか?』

「別にいいじゃない、私はベッドで寝るから」

『はぁ…』


ま、いいけど。

私は地べたで寝ればいいだけだし。



「あんた、兄弟は?」


漫画に視線を注ぎながら、私に話しかけた。



『兄弟は、姉が一人独立してます』

「へぇー、じゃあ今は母親と父親の三人ってわけね」

『…まぁ』


急に家族の事なんて聞いてくるからビックリしちゃった。



だって、あんだけ私の事毛嫌いしてたのに…



「ふぅぁ~、もう寝るわ」

『私も布団引いたし、寝ますね』


天井に付いている電気の紐に手を伸ばして、明かりを消した。


真っ暗になった室内には会話も無く、私は黙って布団の中に入った。