突然呼ばれた梢さんはビクッと体を揺らして、私の後ろから顔だけ出した。
「どんどん食べてくださいね!」
「あ、ありがとうございます…」
鼻歌混じりに、またお母さんは台所へと消えていった。
まだ何か作るのかよ…
『とりあえず、座りますか』
「そうね」
テーブルは四人掛けの椅子があって、私と梢さんで隣同士に座った。
だが、何も会話が無いまま無言が続く…
どうしよう、何か話題を出さないとっ
『梢さんっておいくつ何ですか?』
「は?」
…ヤ、バーイッ!!
何で歳何か聞いてるのよ自分!!
失礼にもほどがあるよーっ!!
ダラダラと冷や汗がこめかみから流れ落ちる。
「…31」
梢さんが視線を落として一言そう言った。