「…なぁ」



呼ばれて前を向けば蓮の姿は無く
隣を向くといつの間にか移動した蓮。


ジリジリと距離を縮めてくる。


まさかと思うけど…



「好きな奴が隣にいて我慢出来る自信ねぇーんだけど」

『え!や、蓮』



強引に私を押し倒して上に跨る。



「朱祢…っ」



耳元で甘く囁くような声で呼ばれて
私の理性なんて簡単に吹っ飛んだ。



『…っ、蓮』



身を委ねた時、
微かにガタッと音がした。



―…ガチャッ



二人して急いで起き上がると、
台所のドアの所に女の人が、
唖然とした表情をして立っていた。



「え」

「お袋ッ!?」



蓮が驚いて叫んだ。


お袋って、お母さんって意味だよね…




『えぇーッ!!!』




蓮のお母さんを見て私も思わず叫んでしまった。