『わぁ~、結構広いね!』

「その前に俺は痛いよ」



なんて言ってる蓮はシカトして、部屋に入っていった。

マンションの五階が蓮の家。
にしても、広いし何も物がない。



「おら、飲み物」

『ありがとう!』



蓮は冷蔵庫から飲み物を出して、私に投げた。

見事にキャッチした私は一口飲んで、ソファーに座った。



「親ならアメリカに転勤してるから、俺一人だけなんだ」

『え!?』

「んな、驚く事かよ」



ビックリした私を見て、不思議な顔をした蓮は飲み物を片手に目の前のソファーに座った。

いやいや、羨ましすぎだし。
憧れの一人暮らしを蓮は高校生でしてるなんて…



『羨ましい…』

「は?」

『や、何でもない!』



てか、蓮の両親に会ってみたかったって気持ちはあったけど、アメリカ滞在なら仕方がないよね。