『そしたら蓮は、あのっ』
「あ?」
私にTシャツなんか渡したら、蓮の上半身は裸になるじゃん。
私は一瞬だけ見てしまった上半身から目を逸らした。
「ははーん、俺の上半身を見るのが照れると?」
『ちちち、違うもん!!』
ニヤニヤと笑う蓮に否定するが、出だしに噛んじゃうし説得力なし。
私は未だに顔を俯かせて、蓮から受け取ったTシャツを着た。
「…朱祢」
『え』
Tシャツから頭を出すと蓮が私にそっとキスした。
―…ドサッ
ゆっくりと体を蓮に倒されてベッドの上に倒れ込む。
そして、上には私を跨っている蓮。
お互いの視線は逸らされる事無くぶつかる。
「…傷つけてごめんな」
真剣な眼差しで私に謝った蓮だけど、それを言うのは私のセリフ。
『こっち、こそ…疑ってごめん』
私が謝ると同時に、蓮がまた軽いキスをする。