話し終わると同時に風が通り抜けた。



『な、なんか凄い話だね…』

「まぁーな。いきなり会ったら本当に女になってるしよ」


ふぅっと軽く溜め息をついた蓮を私は真っ直ぐ見つめた。



『誤解して、ごめん』


そして深くお辞儀をした。



勝手に誤解して離れていった私を許してとは言わない。


ただ、蓮を傷つけてしまった事にたいしては謝りたいから…



「ま、ただのヤキモチでしょ?」

『なっ!!』


いつもの蓮に戻ったのか、余裕の笑みで笑って見せる。
私は顔を上げたが、パッと目を逸らした。



気持ち、バレてるし…っ



「嬉しいよ」

『え?』

「それくらい女と話してるのが嫌だったんでしょ?」


゛朱祢ちゃん、可愛い~♪゛

なんて付け足して、顔を赤くして睨んでる私を見て、さらに笑っている。



『~っ』


どうも私は蓮には勝てないみたいだ。



勉強も恋愛も何もかも蓮が上手。