岩山から一人抜け出して、おじさんの所に行った。



「お!遅かったな!
どうだ、案内してもらったか!」

『はい、ありがとうございます』

「お礼なんていいよ!甥っ子は一緒じゃないのか?」


蓮の事を言われてドキンとした。


゛もし、来なかったら…ちゃんと諦めるから゛



あの言葉を思い出してまた胸が痛んだ。



「おい、どうした?」

『いえ、なんでも!
甥っ子さんならどっか行くとか言ってましたよ!』

「たく、またどっか行きやがってっ」


ブツブツ文句を言うおじさんの言葉が耳には入っても蓮を思うと何も言えなかった。



「そうだ、一本オマケしたから!」

『え!!そんないいのに』

「いーの、いーの」


と、笑顔で言うおじさんに悪いと思いつつも、お言葉に甘えてフランクフルトが入った袋と財布を受け取った。