―…ブーブー
ズボンのポケットから携帯が唸った。
携帯を開くと…
「蓮からだ…」
「「!!」」
三人で顔を見合わせて、俊介が頷いた。
「出てみようぜ」
「あぁ」
俊介の言うとおりにして、通話ボタンを押して携帯を耳に当てた。
「もしもし」
゛よぉ!゛
意外にも電話の向こうからは元気な声が聞こえた。
「蓮、俺の前に茅原に電話しろよ」
てか、何で俺に電話するんだよ。
゛お前に頼みがあるんだ゛
「何?」
俺が聞き返すと蓮は小さな声で言った。
゛朱祢の事…、よろしくな゛
「は?!なに言ってんだよ」
流石の俺でも、その発言にビックリして声を張り上げた。
゛結局、俺は信じてさえ貰えない人間だ…゛
微かに蓮の声と波の音が聞こえる。
「お前、今どこにいんの?」
゛あぁ、今海にいるんだ。いとこのおじさんの店の手伝いでさ゛
…海
周りを見ると何件かのお店があり、蓮から通じて一件の店の名前が聞こえた。