「え?俺だけど」

『…へ?』


いやいやいや、三浦蓮なわけないじゃん。
あんな変態で最低男の三浦蓮がッ?!



「先生に頼まれたんだよ、仲いいだろって言われてさ」

『あー、そう』


だよね。コイツ自分で動きそうにないし。
軽くため息をついて三浦蓮を見ると、何故かジッと私の顔を見ている。



『何?なんか変?』

「運んだのにお礼はないわけ?」

『あ…』


お礼言うの忘れてたし、でも三浦蓮に頭下げるのもねー。
いや、運んでもらったんだからお礼言うのは当たり前だよね…



「言わないとキスすんぞ」

『は?!私の嫌な事はしないって恋愛条件に入ってるよ!!』

「だーかーらー、嫌ならお礼の言葉」


段々と迫る三浦蓮に行き場無しの私に考えてる暇なんてない。



『わかったわよ!!ありがとう!!』


私は三浦蓮に負けてお礼の言葉を早口で叫んだ。