―…



呼び込み班の男子数人が外に出て行き、校内はお客さんの声で賑わい始めた。



「朱祢…」

『ん?何??』


チョイチョイと手で手招きする蓮の下に行くと、私の耳元で耳打ちをした。



『本当に!!』

「あぁ、マジマジ」

『よーし!!』


蓮と契約を交わしてやる気が上がった私を蓮の隣にいる倉谷くん達が蓮に話しかけた。



「茅原に何て言ったのさ」

「そのまんまやる気の無い朱祢はつまんねーから、真面目にやったら゛駅前にできたケーキ屋連れてってやる゛って言ってやった」


呆れ顔をしてる倉谷くん達をよそに、入り口に立ってやる気を出している私を見て蓮が笑ってる事も知らずに…



「おい!女の子二人来たぞ!!」


入り口付近にいた男子達が騒ぎ出した。


…よし。

朱祢の目が光った。






―…ガラッ



『ようこそ、お嬢様方』


男子達より一歩前に出て、女の子達に声を変えて迎えた。



「えっと…、」

『大丈夫、何も心配する事ないから…』


パチンッとウィンクをすれば…






―ズッキューンッ!!



「「は、はい…」」


女の子達は完全に私を男だと信じて、顔をほんのり赤く染めて堕ちた。