微かに横で石を擦るような物音が聞こえた。
「淳くん…?」
「…雫」
同じように花束を持った雫が、俺から照らす太陽の光が眩しいのか、目を細めてそこに居た。
「お姉ちゃんの墓参り来てくれたんだ」
「ああ、おばさんは?」
「もうじき来るよ」
俺の横に並び、静香の墓に俺と一緒に花を入れて、手を合わせた。
「何か、淳くん変わったね!」
「え!どこが!!」
「雰囲気!」
雫に言われて気づいた。
確かに、今まで逃げて目を逸らしていたけど…
「友達と雫のお陰…かな?」
「ふふ、そっか」
嬉しそうに雫は笑った。
空を見れば青空。
俺の闇も晴れた気がした…