泣き崩れた雫をおばさんが必死に背中をさする。
俺は呆然と雫を見下ろす事しか出来なかった。
―…バッ
振り向けば手術中のランプが消えてドアが開いた。
中からは手術服を着た医者が一人出てきた。
「し…ずかは…?」
俺の頭に最悪の結果が浮かんだ。
「残念ですが…」
申し訳なさそうに俯いて言い放った医者。
゛淳!!好きだよ!!゛
゛もう!子供扱いしないで!゛
゛淳ー!!゛
…愛しい君がこの世から消えた。
楽しそうに笑う顔…
子供みたいに拗ねた顔…
すぐ泣きじゃくる顔…
顔を赤くして照れた顔…
静香の顔が浮かんでは消える。
「…っ、静香ぁーッ!!!」
俺は初めて大切な人を…、静香を失った。