何でそんな顔をするんだよ…

朝の時はそんな表情なんか一切無かったのに…っ



「シロの誕生日だから」

「…そっ…か」


静香はそう言うと俺から目線を外して俯いた。
俺らの間に変な空気が流れる…



「い、家に入ろ!!」


沈黙を無理して破った雫は俺達の腕を掴み玄関にへと引っ張る。



「わりぃ」

「え…」


俺は雫の手を振り解いた。
予想だにしなかった展開に雫は目を丸くした。



「俺、帰るわ…」

「淳くん!!」


来た道を戻り、門を再び開けて自転車の前に来ると、雫は焦った顔をして呼び止めた。



「…」


雫から静香に視線を移すと、まだ黙ったまま俯いて決して俺の方を見ない…

それが、俺にとって辛い。
好きな女が冷たい態度を取れば、誰だって傷つく…

静香の態度に俺はイラついた。



「じゃーな」


冷たく言い放って、俺は静香の家を後にした。