―…ツン



「私帰ります…」

『…え』


服を軽くひつっぱられて振り返れば、笑顔で私にそう言った雫ちゃん。

でも、笑っていても泣きそうな顔…



「それ、じゃあ…ッ」

『雫ちゃん!!』


今、泣いてたよね…??

部外者だけど、黙ってられないよッ。



『浅田くん!』

「んだよ…」


雫ちゃんが帰ってもまだ不機嫌なままの浅田くん。



『あそこまで言うこ「はいはい、ストップ」


パンパンと手を叩いて私の言葉を遮ったのは今まで椅子に座って黙って見ていた蓮。



「朱祢はムキになりすぎ」

『でも…』


私に近寄り頭をポンポンと優しく撫でる。



「他人の事に口を挟むな、そう言いたいんだろ」

「…っ」


蓮に図星を突かれたのか私達から顔を逸らす。