いったいこの2人には
なにがあったんだろう…
気になる…
しかもお母さんが話すときには人を馬鹿にしたように敬語を使っている。
たぶんあたしのこの性格は
お母さん似だ…
「どうして佑芽奈がここにいるんです?」
「俺がつれて来たんだ」
「誰が面会を許しました?」
「………」
「勝手に佑芽奈に近づかない約束でしたよね?」
「…………」
「黙っていてはわかりません。それとも、弁護士の方のほうでお話をしたいですか?」
「まて!!落ち着かせてくれ…」
なにかよく分からない会話が目の前で繰り広げられている。
「お前は佑芽奈に会わせてくれなかっただろ…」
「当たり前です。あんななんかに会わせたら物やお金で佑芽奈を釣ろうとするのが目にみえてましたから。」
するどい…
さっきもあたしは金で釣られそうになった。
まぁ金に興味ないから行くことはなかったけど…。
お父さんは押し黙ってしまった。
図星をつかれたから…
「言い訳が思い付かないのなら私たちは帰ります。もう佑芽奈に近寄らないでください。」
あたしとお母さんは立ち上がった。
お父さんは何か言いたげな顔をしていた。
「あと、私たちの生活費と教育費はきちんと払ってくださいね」
そしてこの大きな会社をあとにした。