「いきなりのメールでびっくりしましたよね、ごめんなさい」
「いや、いえ」
「来てくれて、ありがとうございました」
「は、いや、こちらこそっていうか、そのなんだ、あのさ」
「なんで私がユウダイサマを知ってるかってことですよね?」
「そう……」
んーと……と、困った顔をして人差し指を額に当てて考える姿にドキッとした。
これじゃまるで本当にアイドルっぽいじゃないか。
格好だってチェックの制服みたいなやつだし、テレビの中から抜け出してきたようにしか見えない。可愛すぎるだろう。
「あ、あれじゃない? 例のあのサイト見た? とか? えっと、違った、」
普通は他人と話すなんて間違いなくあり得ないことなんだけど、一緒のサイトを見ていて同じ気持ちの奴なら話もすんなりできることに自分でも驚いた。
「サイト? ああ、そうですそうです、そのサイトを見まして、ユウダイサマと同じキモチなわけでして、こうしてお逢いする次第になりまして……」
この話し方、アニメ声もまるで俺好み。
「よかった。でもなんで君みたいな子がそんなことを思うの?」
俺ならまだしも、こんな可愛い子がなぜそんなことを思うのか、不思議でならない。
「はあ、それはあ、えっと」
考え込むように下を向いた加穂留に悪いことを聞いたと思い、いきなりこの質問はないよね、ごめんね、気にしないで。とりあえず何か乗ってみようか?
と、話題を変えた。