「ユウダイサマ、こんにちは」
「は?!」

俺の目の前にニッコリ微笑むあの写真の子、加穂留が立っている。間違いなくあの写真の子だ。

まじかよ。本当にこの子、なんで俺なんか知ってんだよ。

「お待たせしました。さ、入りましょう」
「は、え、あ、はい。あ、でも」
「チケットはもうありますので」
「そ、そうなんだ」

俺の後ろでは、なんであんな男が? とか、誰だよあのかわいい女の子? 芸能人か? ざわめく声を聞きながらも俺の中では優越感にも似たような感情が沸きだしていた。

そもそも、いったいこいつはなんなんだ。