階段を4階まで駆け上がって




向かったのはかつて1年生の頃のたまり場




あかない屋上の扉の前



こないだ雪歩はそこが好きだったと言っていた




もう検討のつくところは探し回った




残るはあとここだけ







「雪歩?」





虚しく階段に響いた俺のひとりごと





そう簡単にいるわけない






「春一??」


「へっ?」


振り向いたその先に



「なにそのマヌケな声」


そういって笑う雪歩がいる



なんで?ここに


「なんでここに来たのって?」

「あのまま部活戻ったんだけどね
なんかやる気になれなくて、体調悪いってサボってきちゃった!同じだね」


「雪歩。あの、俺さ…ごめん!」

「春一が謝ってるのすっごい新鮮」

「だって…」

「めっちゃ傷ついた」

「うん」

「歩きながら泣いたの」

「うん」

「先生に心配されちゃったよ」

「うん」

「どうしてくれるの?」



そういって優しく笑うそんな雪歩




だったら




「俺の彼女になればいいんじゃない?」





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