「大丈夫だよ、そんなに怖がらなくても。花火綺麗なのに」



「やだっ……ひっく、こわい」



「手持ち花火しかしたことないもんな」



宥めるように背中をトントンしながらリュウが笑う。



「でも李久はすっごい楽しそうだけどね」



あたしの膝の上で手足をバタつかせながら真っ直ぐ花火を見つめる李久。



「こいつ、度胸だけはすげぇよな」



「人形で叩かれた時もケロッとしてたし、絶対将来大物になるよ」



「はは、ま、俺の子だしな。そんぐらいなってもらわねぇと困る」



「えー、困るんだ?」



「当たり前だろ。俺は男には厳しいんだ」



「李久かわいそー」



なんて冗談っぽく言いながら


膝の上に座らせた李久に頬ずりした。