大体ね


子ども達の前で出来ないって。



「早くしろよ」



相変わらず俺様な命令口調。



「ム、ムリだって」



「なんでだよ?」



なんでって


察してよ!



「パパ」



「ん?」



あたしの時とは違って美久には優しい顔を向けるリュウ。



「ママをこまらせちゃダメだよ!はい、あーんして」



あはっ、美久に言われてるし。



「パパほらはやく!」



面食らったように頭を掻いてリュウは渋々口を開いた。



その隙に綿菓子を口に入れる。



「どう?おいしい?」



笑顔でリュウに訊ねる美久の頭をそっと撫でた。



「うまいよ」



美久だけには相当弱いリュウだから、甘いのが苦手でも満面の笑みでそう答えていた。