「お嬢ちゃんも可愛いねー。いやー、美形一家だなこりゃ」



なんて言っておじさんはガハガハ笑う。


よく笑う人だな。


人懐っこくて、良いおじさんって感じ。



おじさんによーくお礼を言って人混みの中に紛れた。


花火が始まるので見やすい場所を探し、とりあえずそこで一休み。


子連れだから人混みの方へは行かず、ゆっくり出来そうな場所を探して歩いた。



そして運良く空いたベンチに腰を下ろす。



お祭りの喧騒が遠くの方に聞こえていた。



「うー!」



「はいはい、綿菓子ね」



さっきから催促されてたけど、さすがに人混みの中では食べさせれなかった。