その日、浴衣や甚平を買ってお祭りに行った。
リュウはもちろん黒じゃなくて白の甚平。
何気に李久とお揃いで、これを見た時速攻で買うことを決めていた。
どうやら、李久が泣かなくなったことが本当に嬉しかったみたい。
そんなリュウに抱っこされても李久は一切泣かず、それどころかきゃっきゃと笑って楽しそう。
リュウも嬉しそうだし、そんな二人の姿を見てあたしも幸せな気分になれた。
本当、あれだけ泣いてたのがウソみたいに思える。
「パパ!イチゴのかき氷たべたい!」
浴衣姿の美久がリュウの手を握って屋台の方へ引っ張った。
片手には李久もいて嬉しそうに笑っている。
「よし、じゃあ並ぶか」
「うん!」
列の最後尾に並びながらはしゃぐ美久。