確かに李久は泣いていない。



あれだけ理由がわからなかったのに、こんなにあっさりわかる日が来るなんて。



「美久はなんでわかったの?」



「へへー。みくはりくのおねーちゃんだから!」



少し恥ずかしそうに笑いながら美久が言った。



「そっかー!すごいねー、美久は!パパもママもわからなかったのに」



美久の言葉に自然と笑みが零れた。


少しずつだけど成長していってる。


ちょっと前は


美久の口からこんな言葉が聞けるなんて想像もしていなかった。



何が正解かなんてわからない子育てだけど


間違っていないと確信した瞬間だった。