「りくはね、パパがいつも着てる黒い服がこわかったんだよ」
あたしの気持ちを察したのか
ただ単に言っただけなのかはわからないけど
美久の言葉に目を見開いた。
「えっ?黒い服って……スーツのこと?でも私服の時も泣いてたけど」
「パパ黒いのばっかり着てるもん。りくは黒がきらいなんだよねー?」
「あーっ!うー!」
そうだと言わんばかりに声を張り上げる李久。
そう言えば確かに私服も黒っぽいのが多いけど……。
リュウは珍しく今日は白のTシャツを着ていた。
「美久にそう言われて慌てて着替えたんだ」
なんて言って苦笑いを浮かべる。