だけど左右の部屋に二人の姿はなかった。


多分リュウが連れてったんだろう。



李久の泣き声が聞こえないのを不思議に思いながら、その足でリビングへ向かった。



「あー、ママ!」



「まんま!」



「二人共おはよう」



朝から元気な美久がドタバタ駆け寄って来た。


李久も笑いながらこっちを見て、お子様椅子に座り手足をバタつかせている。



喜んでいる時の合図。


可愛い……!



「ごめん、起きれなかった」



キッチンに立つリュウの隣に並んだ。



鼻唄まで歌ってなんだか今日のリュウは機嫌が良いみたい。



「いいって。昨日激しくし過ぎたし」



「…………っ」



なんでもないことをサラッと言うところは変わってない。



そして



そんなリュウに言葉がつまるあたしも。