「いいじゃん、年に1度のことなんだし」



人混みがすごいけど、お祭りの雰囲気はすごく好き。


屋台とかも楽しみ。


浴衣も着たいけど、やっぱりムリかな。



洗い物を終えたあたしは、リュウが座るソファーまで行って少し離れた場所に腰を下ろした。



「着れば?浴衣」



「え?でも……」



「俺も甚平着るし、家族でお揃いにしようぜ」



キリッとした横顔。


凛としたその雰囲気。


リュウの言葉に嬉しくなって頬が緩む。



「よし、明日買いに行くぞ」



ニンマリ笑うあたしを見て、リュウは嬉しそうにそう言った。