その日から出来るだけ美久にも目を向けた。
出来たことは当たり前だと思わないで思いっきり褒めたり
ダメなことはダメだと、根気強くいい聞かせた。
やっぱり簡単にはいかなかったけど
毎日ハグする時間や甘えさせる時間を作ることで、李久に対して手を上げることは減っていった。
子育てってやっぱり難しい……。
まだまだ立派な母親になんてなれないよ。
「妃芽」
「え?あ、リュウ。美久は?」
李久を寝かし付けてリビングに戻ると、リュウがテレビを見ながらウイスキーを飲んでいた。
「寝た。ママと一緒に寝たいって言ってたけど、布団に入ったらソッコーで」
その光景を思い出したかのように、リュウがクスッと笑う。
「そっか、良かった。李久は中々寝てくれないから困ったよ。危うくあたしまで寝るとこだったし」
まだ洗濯とか洗い物とか、しなきゃいけないことがたくさん残ってる。