「久しぶりだね、上がって上がって‼」
家に着いた時には辺りはすでに暗くなっていた。
「お邪魔しまーす」
ユメさんの笑顔に出迎えられて、通い慣れたリビングへと足を運ぶ。
「いらっしゃい、美久ちゃん」
にっこり微笑むヒロさんに、軽くペコッと頭を下げる。
「よ、美久‼」
キッチンから大皿を手にやって来たのは、変わらない王子様スマイルを浮かべる懐かしい人。
「結ちゃん‼帰って来てたの?」
大学の夏休みは長いけど、バイトがあるから帰って来れないかもしれないって言ってたのに。
久しぶりに会えたことがなんだか嬉しい。