付き合って1週間が経つけど、まだ一度もデートをしていないあたし達。



愛翔は相変わらず遅くまで遊び回っているけど、付き合う前とは確実に変わったことがある。



「メール?愛翔君から?」



フラペチーノに乗った生クリームを掬い上げながらまどかがニヤッと笑った。



お昼時のカフェは混雑していて活気に溢れている。



「うん、毎日来るよ」



それは今から誰と遊ぶとか、どこに行くとか、日常の一コマに触れるような内容のものばかり。



そんな些細なメールでも、愛翔からだってことだけでたまらなく嬉しく感じる。



あたしを心配させないようにしてくれてるんだっていう優しさも感じる。



スマホをテーブルの上に置いて、まどかと同じように生クリームをスプーンで掬う。



甘さ控えめの生クリームは、今のあたしにはなんだか物足りない。



「ラブラブで羨ましい限りだよ。小田君は鈍感すぎて攻めまくっても空回りしてばっかだし」



“はぁ”と深くため息を吐いたまどかは


珍しく弱気になって肩をシュンと落としている。



「この鈍感さは美久並みだよ。愛翔君の気持ちがすっごいよくわかったもん」