あたし……正真正銘の大バカじゃん。


ひとりでカン違いして、ひとりで空回って。


バカだ、バカだ、バカだ。


うわー、最悪。


ひどいこと言って疑って、もう合わせる顔がないよ。


恥ずかしすぎる。



「う、疑ってごめんなさい……赤いルージュをつけてたから、つい。あたしの飛んだカン違いでしたっ!本当に申し訳ありません」



これでもかってほど頭を下げた。


恥ずかしすぎて、穴があったら入りたい気分だよ。



「いえ!私が言うのもなんですけど、辰巳社長は本当に奥さんを愛してらっしゃると思いますよ?だって……メールが返って来ないと、誰が見てもわかるくらい落ち込んでいますから」



「大久保!余計なこと言ってんじゃねーよ!」



「あはは、はーい!それでは、私達はこれで」



大久保さんと平岡さんは、リュウとあたしに頭を下げてからバーの中に入って行った。