「ちょ、ちょっと……」



2人を寝かせた部屋から出ると、突然リュウに腕を掴まれてベッドに押し倒された。


目の前に見える整った顔にドキドキして体が火照る。


こんな気持ちのまま、とてもじゃないけどそんな気分にはなれない。



「今日はムリだよ……」



「はぁ?なんで?」



「そんな気分じゃないから」



リュウの胸を押し返そうとしても、あたしの力ではビクともしなかった。


気に入らないのか、リュウは不機嫌そうにあたしを見下ろしている。


心の中を見透かしそうなまっすぐな瞳。


タキシードの上着を脱いでワイシャツを脱ぐと、引き締まった身体が目に飛び込んで来た。


ドキドキしすぎて落ち着かない。


そんな気分じゃなくても、体の奥から熱いものが溢れ出す。


全身が


心が


リュウを欲しいといっている。