ホテルの部屋は高級なだけあってかなり広かった。
大理石の床に部屋がいくつもあって、まるでスイートルームのような豪華さ。
「一番いい部屋用意してもらったから」
「…………」
素直にお礼が言えないあたしは、本当に可愛くないね。
こんなんじゃ、リュウが大久保さんになびくのもムリはない。
「気に入らねぇ?」
ううん。
違うの。
首を横に振って否定する。
気まずい沈黙の中、美久と李久をベッドに寝かせた。
部屋がたくさんあるから、子ども用の小さめの可愛らしいベッドを選んだ。
真っ赤なルージュ事件がなかったら、絶対はしゃいでキャーキャー言ってたと思う。
こんな豪華な部屋に泊まれるなんて、めったにないもん。