「あたし、ご飯食べて来るから。リュウは2人を見ててよね」
ムカつくあまり、あたしは李久をリュウに預けて立ち上がった。
「話し終わってねぇだろ?逃げんなよ」
「逃げてない。お腹空いたから」
腕を掴まれたけど、振り払って料理があるテーブルまで歩いた。
ムカつく。
真っ赤なルージュも、それを簡単に付けさせたリュウも。
何もかもがムカつく。
片っ端から料理を取ると、あたしは無理やり胃に流し込んだ。
ヤケ食いでもしなきゃやってらんない。
そのあとケーキまでしっかり食べたあたしは、リュウに呼び戻されて色んな人に紹介して回られた。
女性社員はあたしを見てビックリしていたけど、そんな反応にはもう慣れっこ。
どうせ、似合わないって言いたいんでしょ。
わかってるよ、そんなの。
どうせあたしは……リュウにはふさわしくないよ。