はたから見たら抱き締められているみたいな格好。


恥ずかしくて情けないけど、それでも力が入らなくて寄りかかりながらイスまで連れて行ってもらった。



「す、すみません……本当にごめんなさい」



恥ずかしくて合わせる顔がないってこのことだ。


情けなさすぎる。


でも、李久を抱っこしてたし転ばずに済んで本当に助かった。



「いや、それより大丈夫っすか?」



「あ、はい。何とか」



慣れない格好で慣れない場所に来て、なんだかドッと疲れちゃった。


はぁ。


もう帰りたい。



小さな李久の体をギューッと抱き締める。


李久は手足を動かして、楽しそうにはしゃいでいた。



まったく……呑気なんだから。