「ママー、お腹空いたよ〜!」
美久があたしの手を引っ張って中に進もうとする。
「で、ではこれで」
あたしは平岡さんに頭を下げて、美久に引っ張られながら歩いた。
それにしても、豪華な料理だこと。
お肉は目の前で焼いてもらえるらしく、種類も味付けもかなり豊富。
ケーキの種類だけでも何十種類とあった。
「ママー、ケーキ食べたい」
「美味しそうだね。でも、まだ始まってないからダメだよ」
「えー」
ブーブー言って頬を膨らませる美久。
立食パーティー形式だから、イスはあまり用意されていなかった。
中はかなり広くて、人で溢れ返っている。
こりゃ迷子になっても探すのが大変そうだな。