でも、恵梨香や、友達には、優を好きだと言えなかった。きっと、変な噂を立てられるから。強がって、好きじゃないと言っていた。　
だけど、時々、優と視線がぶつかる事が嬉しくて、良く彼を見ていた。　

初夏に、学校にお泊まり会があった。　
皆でカレーを作る事になり、グループに別れた。　
アタシのメンバーは　
咲[ｻｷ]ちゃん、健[ｹﾝ]くん、瞳[ﾋﾄﾐ]ちゃん、巧[ﾀｸﾐ]くん、優くん、奈々。　
の六人だった。　
アタシは、巧くんと優くんと一緒に、野菜を切ったり食器を用意したりする役だった。　
久しぶりに、優くんと話せると思うと、胸がドキドキした。　
『ゆっ優くん久しぶり♪』
「あぁ。久しぶり♪」
『じゃあ、始めよっか。』
「うん。巧、やるぞー。」
優と話しただけで、緊張する。恥ずかしくなる。