キーンコーンカーンコーン--
(うおー間に合わねえ!)
ガラガラ・・・

『有~!おっはよ!』
親友の柊子が笑いながら来た。
『柊子おはよ♪』
『あんたまた遅刻ギリギリじゃん~』
『あはは。女の子は朝、忙しいのですぅ』
『そう言う割に寝癖だらけっ』
(げっ!あたしの美顔が台無しだぁ)
柊子(とうこ)は私と同じクラスで入学式に初めて話したのがきっかけで仲良くなった。
『ねぇ~有。今日もカラオケ行こ?』
『ごめん!今日バイトなんだ。』
『うへーん』
柊子は残念そうに下を向いた。
『いいじゃん♪今日は尚君とデートしておいで』
尚君とは柊子が中学から付き合っている彼氏。
土、日は泊まりで尚君と一緒にいる柊子。
(んっ!?あたし?あたしは可愛いすぎて誰も近寄ってこねえっす!高嶺の花ざんす!!)
・・・いえ、有は今の今まで彼氏もいない。
ズバリ言いますと告白もされた事ないんですよ。
(それ言っちゃう?ナレーションの分際で・・・)

柊子と尚君とは中学が違った有。
そのせいか尚君とは話しにくいという事もあり柊子と尚君のデートにはお邪魔した事がない。
『う~ん、尚のやつ浮気してるっぽくてね・・・』
と苦笑いしながら柊子が返事をした。
『えっ?え?まじ?』
有はびっくりして口をポカーンと開けながら話に食いついた。
(そんな馬鹿な・・・あたしの次に美人な柊子が浮気されるなんて・・・)
実際は柊子は有と違いモテます。
それはさておき、授業が始まり恒例の手紙交換が始まった--