どんどん歩いて行くと
ひと気の多い場所向かって行った
ハノンは少し不安を持っていた
ハノンは昔から人の多いところが
苦手で酷いときは過呼吸を起こすこともある。
『ハノン?大丈夫か?顔が真っ青だよ?』
心配そうな顔をして優しい声で
春馬はそう言った
ハノンの返事がなくて
春馬が人の多いのが苦手だとすぐにわかった…
『よし!予定変更!人の少ない場所にいこう!』
そういうと、さっきとな違う形で
ハノンの手を少し強めに握った…
『う、うん…』
少し安心したハノンだった。
でも、またどこに向かうのかわからなくなってしまった
ハノンの左手は…春馬の右手は…
ドキドキする…この、一週間
春馬君が授業中に、話しかけられるのが嫌だったのに
なんで、今は話しかけられてもイライラなんてしない…むしろ…
『ついたぞ』
考えるのに夢中になってて周りを、みていなかったハノンはようやく
前を向いた…
ザァーザァー…
波の音、海の匂い
『私の好きな場所…どうしてここにしたの?!』
『俺も…俺もここが好きなんだ』
『えっ?』
意外なことを聞いたハノン
嫌いなやつと好きな場所が一緒…
なのに、すごく嬉しくおもえた
『俺は何かにムカついたときとか悲しい時、辛い時いつもここで海を眺めているだ』
『昨日の夜も?』
『あぁ…』
少し悲しげな顔をした春馬を見逃さなかったハノンは
『昨日は悲しいことがあったんだね…』
『まぁな…』
『何があったか私に言える?』
ハノンは自分の言葉を、疑った
(私春馬君なこと嫌いなのに…どうして心配になるの…昨日も今日の朝もずっと春馬君のことを考えてる…なぜ…)
頭が混乱して次の言葉がでてこなかった…
すると春馬椿が
『ずっとお前…ハノンのことを考えていたんだ…』