でも俺・・・・。
「俺前に宮田を家まで送ると言ったんですけど・・・。
宮田に断られて・・・。
多分、家を知られたくない理由でもあると思うので・・・」
「ユズね、家族のために女優をやっているの」
家族のため・・・?
「ユズのご両親は仕事が忙しくて滅多に帰ってこない。
大学生のお兄さん・ハルくんは体が弱くて仕事が出来ない。
中学3年生のフユくんは受験勉強で忙しい。
妹で双子で小学4年生のイチゴちゃんとリンゴちゃんは勿論働けない。
だからユズが女優をしてお金を貯めて、皆の欲しいものとかを買ってあげたりしているの」
宮田の家、そんなだったとは・・・。
「大家族な上あんまり家が大きくなくて狭めだから、ユズは滅多に人を家に呼ばないの。
でも・・・このままだとユズが危険だわ。
女優を続けさせてあげたいの・・・」
「アズミ、ユズちゃんのこと守ってあげられるか?」
「俺で良いんですか・・・?」
「アズミくんならユズも顔見知りだし、放送委員で一緒なんでしょ?
ユズのきょうだいも皆良い人だし、優しいから、きっとアズミくんを受け入れてくれると思うわ」
でも、だな。
「俺は構いません。
でも、宮田本人の意見を聞かないと」
「「ありがとう!アズミ(くん)!」」
本当にこの2人・・・仲良いな。