クラスの奴らには興味ない俺でも知っている男。
王子様とか騒がれていて、馬鹿みたいだと思ってた。
「ユズちゃんは大丈夫なのか?」
「監督とかスタッフさんも気にしてくれるって言っていたから、撮影現場では大丈夫だと思うわ。
でも、ユズの自宅まで知っているみたいなの・・・。
自宅まで来られたら・・・ユズが危険だわ」
「ユズちゃん、ご両親は?」
「毎日遅くまでお仕事で・・・。
ハルくんもフユくんも体力ないし・・・。
イチゴちゃんやリンゴちゃんまで巻き込めないわ」
ハル?フユ?イチゴ?リンゴ?
誰だ・・・それ。
「由芽は自宅まで送れないのか?」
「兄さんには言ってなかったけど・・・。
あたし結婚したの」
「マジか!?」
そうなんだ・・・。
「娘が生まれたのは良いんだけど・・・。
喘息を患っていてね、放っておけないの。
だからあたしは行けないし・・・」
「僕は家が遠いし、何かあっても行けないな・・・」
確かに皇太さんは家が遠い。
片道3時間とか言っていたっけな。
「・・・アズミくん、行けるかしら?」
俺?