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おばちゃんとまた会う約束を交わして俺は歩いてきた道を戻っていた

そして、紙に書かれた住所へと続く道に出た


もう寄り道はしない

真っ直ぐ……真っ直ぐ、足をひたすら前へと進ませた
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初めて通る道、初めて見る景色ばかりでちゃんと目的地に近付いてるのか不安になった

だ、大丈夫かな…………
俺道に迷ってないよね…?

何度も紙に書かれた番地を確かめながら、俺は歩く足を早めた


辺りをキョロキョロと見渡し、住所を確認した

たぶん住所的にここら辺のはず……………………
………ん?


たくさん家が並んでいる住宅街で、一際目立つ一軒家

まさか……と思いつつ、その家に近付いた


予感は的中、紙に書かれた住所はここの家だった

ま……まじ?ここかよ………


なぜこんなにも焦ってるかと言うと…………

他の家より何倍もある敷地に手入れされてる日本庭園風の庭

立派過ぎる和風の家で、まさしく豪邸と言っていい家だった


住所を渡された時から目的地はミノルの家なんだろうと想像してたけど……

………っておじさんは病院の院長だった


でもこんな豪邸だと思わなかったな……


俺はもう一度紙の住所を見て、間違っていない事を確認した


……やっぱりここだ……
………よし


ピーンポーンー…
壁に付いてるチャイムを押した

チャイムの音もうちとは違うな…

なんか品があるってゆーかなんてゆーか……………………


『はい』

暫くしてインターホンから声が聞こえた


『あ……』と声を出したものの、何て説明したらいいのか分からず言葉に詰まる

ちゃんと考えてからチャイムを押すべきだった…と今さら後悔した