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『はぁ……』
足元のボールを弱々しく蹴った
コロコロコロー……と蹴ったボールはどこかに行く訳でもなく、俺の元に返ってくる
『ボールを蹴る力が僕より弱いんだけど……』
ミノルが数メートル先で苦笑いをしている
俺達はいつもの公園で、いつもの週末を過ごしていた
ボールを抱えてベンチに座ると、また無意識にため息が出た
『前にもこんな事あったよね』
『……え?』
『ユウキがため息をつく時は決まって家族の事』
ミノルは少し得意気だった
ミノルの体はあれから異常はないみたい
だけど万が一って事があるから、今度はちゃんと外出届を出して遊んでいる
まぁ…普通は外出届を出しても、サッカーなんてやっちゃいけないんだけど…
こうして変わらずミノルと会えるのは、ミノルのお父さんのおかげ
詳しくは知らないけど、ミノルの部屋を担当してる看護婦さんが言ってた
“ミノルがやりたいと思うものをやらせてあげたい”
そう言ってたって……
俺とおじさんの気持ちは一緒みたいだ