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『出来た!』
黙々と書いていたミノルが声を上げた
たった一枚に描かれた絵は俺にとって宝物のように輝いて見えた
チラッとミノルの方を見ると……ミノルも俺と同じ気持ちなんだと思った
その絵を二人で眺めながら、
『綺麗な街だね。なんか…夢の国…いや、子供だけの世界みたい』
俺の口から出た言葉
“夢の国”
“子供だけの世界”
たぶんこの瞬間から、俺とミノルの世界は少しずつ変わり始めていたんだと思う
お互いに気付かないまま…
俺達が描いた街は想像以上の出来だった
その他にも色々な決まり事を作った
この日みたいにワクワクするような時間がずっと続けばいいと、昼と夜を逆転させた
それからここに住んだ人達は歳をとらない
そんな夢みたいな世界を俺とミノルは一枚の絵に込めた
でも込めたのは夢だけじゃなかったと思う
希望とか未来とかそんな大きな事を
7歳の夜に二人で描いたんだー……