周りの人達はゲームをやってる奴、漫画を読んでる奴寝てる奴、
それぞれ俺の事なんか見向きもせずにその空間に居た
『じゃぁ本題に入ろうか』
カシワギがくつろぎながら俺に言う
『本題……?』
『ここならゆっくり話せるだろユウキ君?』
カシワギの目付きが変わった
ここはカシワギの縄張り、いつも助けてくれるリーダーは居ない
周りの人は全員カシワギ組
俺は今さら来てはいけない所に来てしまったと実感していた
カシワギはニヤリと笑い、
『邪魔者は居ない。それにここは“俺の縄張り”
お前はもう逃げられない』
と目線を鋭くしながら言った
……………ゴクン
『に、逃げねーよ…!』
俺はグッと拳を握りしめた
逃げない
逃げない
この世界から出る為にはカシワギは避けて通れない
そんな気がしていた
今この瞬間も逆に利用してやる、俺はカシワギの目を強く見てそう思った